先日、通勤路を歩いておりましたら、いい匂いがしてきました。嗅ぎ覚えのあるとてもいい匂いでした。
その瞬間、私の頭の中にザァーっと鮮明に浮かんでくる場面がありました。
とある春、実家の玄関扉を開けると、冷たさが無くなったやさしい風、やわらかい春の日差し、庭先に4つ並んで植えてある沈丁花。ああそうだ、この匂い、沈丁花だ。4本の沈丁花、毎年この季節になると我が家の庭先をその匂いでいっぱいにしてくれていました。その匂いを嗅ぐと、小学生や中学生のとある春に私はワープします。
今年はああしようとか、どんなことがあるかなとか、期待で胸がいっぱいだったあの頃。そのときの気持ちがありありとそのままに甦ってきます。
今は、ただただ追われるように毎日を過ごしてしまっていることに気がつきます。
一日を終えることに精一杯。
いつからこんな風にしか過ごせなくなったのだろう。
もっといろんなことに目を向けて一日一日を大事に生きていけたらいいなぁ、と思った、とある春の通勤路でした。
グリーン歯科クリニック 歯科医師 上田 祥佳